初心者向け~ポスターカラーで色塗りするホットドッグの手書きイラスト

皆さん、こんにちは!
ポスターカラー大好きイラストレーターのすずきかずたかです。


ポスターカラーで描いた作品

 

 

描く対象を決める

今回もポスターカラーを使って、ビギナーの方向けに、身近なものの代表として食べ物の描き方をお伝えしたいと思います。
食べ物と言ってもいろいろありますが、ご飯を描いても真っ白な飯粒なのであまりおもしろくありません。
ポスターカラーの発色の強さを活かすにはカラフルな食べ物が良いと思い、いろいろ考えたところ、ホットドッグが良いのではないかと思いました。
パンには色が着いていますし、マスタードとかケチャップをかけたところを想像すると、何ともカラフルです。

 

 

下描き

それでは早速下描きから始めたいと思います。
例によって2Bか4Bの柔らかくて色の濃い鉛筆で描きます。
理由はいつもお伝えしている通り、芯が柔らかいので滑らかな線が描きやすい事と、消しゴムで消す時も消しやすいからですね。

それでは始めます。
ホットドッグ用のパンと言えば、細長いパンを使うのが一般的ですよね。
そこで、まず細長いパンのような楕円形を描きます。
楕円形と言っても、ホットドッグなので、パンの両側の長い線の部分はやや直線にしておきます。
これでホットドッグらしい形になりました。

 

 

 

次に、ホットドッグの一番美味しい部分のソーセージを描きます。
パンの真ん中に切れ目を入れて、ソーセージを挟んだところを、想像しながら描いても良いですし、ネットなどで探した画像を見ながらでももちろん大丈夫です。

 

 

 

徐々にホットドッグらしくなって来ましたね。
本物のホットドッグが、たくさんの具が入っていた方が美味しいように、ホットドッグの絵もいろいろな具が挟まっていた方がいろいろな色を使えるのでカラフルに仕上げられます。
そこで、まず野菜をたくさん挟み込んでみたいと思います。

まず、輪切りにしたトマトやキュウリ、レタスなどを描き入れます。
特にこの見本と同じでなくても結構です。
ピクルスやニンジンなど何でも結構です。
ニンジンなんか、彩りが鮮やかになって良いかも知れませんね。

次に、先程例に挙げたように、ソーセージの部分にケチャップやマスタードをかけてみます。
僕は斜めに両者がクロスするように描きましたが、もちろんこの通りでなく、まっすぐに描いても大丈夫です。

これで下描きは完成です。
上手くいかなければ消しゴムなども使って何回でも描き直ししましょう。
描けば描いた分だけ思った通りに描けるようになります。
もちろん楽しんで描くのが一番ですから、あまり下描きに時間をかけたくなければ、ポスターカラーは重ね塗りが効きますので、色を塗りながら修正するという方法もあります。
但し、下描きで形を直すのと、色塗りで治すのと比べた時、下描きで形を修正する方が簡単です。
もし、下描きの段階で形に納得がいかないのであれば、慣れるまでは下描きの時に修正した方が良いと思います。

 

 

 

色塗り

それでは、いよいよポスターカラーを使っての色塗りです。
薄い色から塗り始めて、徐々に濃い色を塗って行きます。
その方が、はみ出したり、違う色で塗り直ししたい時に、修正しやすいからです。

僕はいつもセピア系の色にこだわっているのですが、こと食べ物に関しては、オリジナルの美味しそうな色をそのまま使った方が良いと思うので、今回はセピア系の色塗りは封印します(笑)

まず、一番色の薄い、パンの下半分の部分を塗ります。
本物と全く同じ色というのはなかなか作るのが難しいので、持っている色の中で一番近い色で塗って大丈夫です。
僕はこの白い部分を、ニッカ―ポスターカラーの「ネープルズイエロー」という色で塗ります。
筆はナムラの面相筆を使います。
この後の色塗りも、ホットドッグの部分は全体的に細かい部分が多いので、全て面相筆を使います。

 

 

次にパンの上半分を塗ります。
僕は「バントシェンナ」という色で塗ります。
僕はたまたまセピア系の色をたくさん持っているのでこうした色も持っていますが、なければ普通に「茶色」とか「こげ茶色」でも大丈夫です。
これでパンらしくなりました。
実際はパンの上部と下部はこんなにハッキリ色分けされていませんが、僕はポスターカラーの強い色同士のぶつかり合いの効果が好きなので、敢えてこうしています。
もちろんボカシという、もっと境界線を曖昧にする技法もありますが、それは別の機会にお話したいと思います。

 

 

次に、挟んである野菜を塗って行きます。
実際に目の前にホットドッグがあると想像した場合、一番奥にあるものから塗っていきます。
なぜかと言うと、一番奥にあるものから塗っていけば、多少はみ出しても、次に塗るその手前のものを塗る色で重ね塗りする事で修正できるからです。
僕は一番奥側にトマトの輪切りを入れたので、まずトマトから塗ります。
僕はこのトマトに「スカーレットレーキ」という色を使います。
普通の赤より若干オレンジに近い赤です。
この方が野菜らしく見えるからです。

 

 

次に、トマトの手前にあるきゅうりの薄切りを塗ります。
僕は「クロームグリーン(1)」という、黄緑色に近い色で塗りました。
本当はきゅうりの中身はこんなに鮮やかな色ではないですが、僕の好きなニッカ―ポスターカラーではグリーン系でこの色より薄い色はありません。
白を混ぜればもっと薄くは出来るのですが、僕はよほど大量に使う時以外は混色はしません。
手間がかかるし、ポスターカラーがもったいないというのも理由です。
今回のきゅうりのように少ししか使わない場合は、実際に使うポスターカラーの量というのは、水を混ぜる前は本当に微々たるものです。
色を混ぜるためには「溶き皿」の上に2つの色を出して、それを混ぜるのですが、いつも余ってしまいもったいないと思っています。
なので、僕はよほど大量に使う時か、何回かに分けて同じ混ぜた色を使う時以外は混色はしません。

2色以上のポスターカラーを混ぜて、何回かに分けて塗る時は、多めに作って保管しておきます。
そうしないと、混ぜる色の割合が少しでも違うと、全く違う色になってしまうからです。
そういうわけで、きゅうりの中身を塗りました。

 

次に、きゅうりの皮の方を塗ります。
僕は「クロームグリーン(3)」という色を使います。

 

 

ここまで塗れたら、後は残った部分を塗っていけば完成です。
きれいな好きな色塗りを楽しんでください。
塗る部分が細かいので、色が多少はみ出す事もあると思いますが、大丈夫です。
ポスターカラーは完全に乾きさえすれば、重ね塗りが出来るからです。
はみ出した部分の上に、次に塗る色を重ねて塗っていけば、はみ出しは習性でできます。
ちなみに僕は、ソーセージは「コーラル」、マスタードは「クロームイエロー」、「ケチャップ」は「カーマイン」という色で塗りました。
このカーマインは、トマトを塗った赤に比べると、純然たる「赤」です。
ケチャップにはこちらの赤の方がピッタリ来ますね。

 

そして、仕上げにレタスを「サップグリーン」という色で塗ります。

 

 

スノーホワイトでツヤを表現する

これでホットドッグの部分はひと通り塗り終ったのですが、演出効果として、白いつやを入れてみたいと思います。
もちろん本物のホットドッグはこんなにツヤはありませんが、つやを入れた方が立体感も出るし、野菜なども新鮮そうに見えますよね。
この白は「スノーホワイト」という色を使います。
「スノーホワイト」と、普通の「ホワイト」は違います。
普通の「ホワイト」では、下地の色に負けてしまいます。
スノーホワイトはチラシの版下などに使われる事が多く、他の色の上に白を塗ったり、文字を書いたりするのに適しています。

バックを塗る

ここまで来たら、いよいよバックを塗って仕上げです。
今回は題材が食べ物なので、バックの色は暖色系の方が良いです。
暖色系の色というのは、色相環上で赤からオレンジ、黄色までの、見た目が暖かく感じる色の事です。
また、青緑・青・青紫 を逆に「寒色系の色」と言います。
それ以外の色を「中間色」と言います。
そして、食べ物の絵のバックを塗るのでしたら、暖色系の方が美味しそうに見えると思います。
夏のかき氷などは別にして、「涼しそう」な色よりも「暖かそう」な色の方が、「美味しそう」に感じますよね。

僕は今回は「オレンジ」を使う事にします。

色相環

 

 

実は、先のホットドッグの仕上げの段階で、先に少しバックを塗ってしまっています。
せっかく塗ったホットドッグにオレンジがはみ出したら嫌なので、面相筆を使って先にホットドッグの周りを少し丁寧に塗っておきます。

そしていよいよナムラの平筆を使って、バック全体を塗ります。
この時はムラにならないように、ポスターカラーに水を混ぜ過ぎず、しかし、塗った時に絵具がよく伸びるように、適度な水分を含ませておくことが必要です。
言葉にすると難しそうですが、要するに塗ってみて最も濃く、しかもよく伸びる濃さを塗ってみてご自分で感じる方が早いです。


これでいよいよ完成です。

まとめ

どうでしたでしょうか?
美味しそうなホットドッグは描けましたでしょうか?
食べ物を描くコツを少しでもご理解頂ければ一歩前進です。
毎日少しずつやれば、毎日前進していきますね。
ホットドッグが完成したら、他のお好きな食べ物にも挑戦してみてください。
好きなものを描くほど、どんどん絵が楽しくなってくると思います。

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