ポスターカラーの素晴らしい世界~初心者におススメ!ポスターカラーで描く手書きイラスト~

皆さん、こんにちは!
ポスターカラー大好きイラストレーターのすずきかずたかです。
突然ですが、僕は絵を描く時はポスターカラーを使います。

ポスタカラーで描いた作品
ポスターカラーという絵具は文字通り、元々はポスターやチラシといった宣材などのデザインに使われていた水彩絵具です。
水彩絵具といっても、一般にイメージされる水彩画に使われる水彩絵具とは違います。

なぜポスターカラーで描いた絵に懐かしさを感じるのか?

一般にイメージされる水彩絵具が意図的に透明感を利用したり、滲ませたりして、微妙な味わいを出すのに対し、ポスターカラーで描かれた絵には透明感はありません。
宣材に使われていた位ですから、メリハリの効いたハッキリとした発色がその持ち味です。
今でもポスターカラーはデザイン用の絵具だと思っている方は大勢います。
僕はデザイン教室に18年間通っていたので、デザインの一部としてイラストを描いていました。
だから必然的にポスターカラーで絵を描くようになりました。
手前味噌になりますが、僕の描く絵はなぜか「懐かしい」と言われます。
実は、自分でもそう思っています。
意識していないのになぜかそうなります。
僕も描き始めたばかりの頃は「初めて見るのになぜか懐かしい」をキャッチフレーズにしていました。
出版社に作品を持ち込む時は、「ノスタルジックすずき」というニックネームを使っていました(笑)
なぜそうなるのかを考えた事もありますが、その理由は、僕自身の腕の未熟さも手伝って、リアルに描いたつもりでもどこかがずれていて、それがたまたま僕の作品の味になっている為だと思っていました。

鳥居塚誠一さんの素晴らしいポスターカラーでの作品

しかし、鳥居塚誠一さんのポスターカラーを使った作品を見た時は大きな衝撃を受けました。

鳥居塚誠一さんの作品(風景画)
力強さの中にも温かみを感じます。
そして何よりも、始めて見た時から「懐かしさ」を感じさせてくれる作品です。
行った事がないのに行った事があるような錯覚を、僕は感じました。
鳥居塚誠一さんは映画の美術監督、背景画のプロとして有名です。

色使いの権威でもあります。



鳥居塚誠一さん
その鳥居塚誠一さんが、「ポスターカラーに勝る絵具をいまだに私は知らない」と公言されています。
鳥居塚誠一さんの作品は浮世絵、水墨画、風景画など、全てポスターカラーで描かれています。
これほどの方がポスターカラーを最高の絵具だと公言されている事実を知り、僕はポスターカラーで絵を描き続けてきた事を誇りに思いました。

鳥居塚誠一さんの作品(浮世絵、武田信玄)
「ポスターカラーはデザイン用の絵具だ」などという人の言葉を半ば認めていた自分が恥ずかしいです。
そして、鳥居塚誠一さんの、ポスターカラーを使った作品の素晴らしさは言うに及ばず、特筆ものは、やはりその中に感じる「懐かしさ」です。

鳥居塚誠一さんの作品(風景画)
僕は確信しました。
僕の描いた絵が「レトロっぽい」つまり、どこか懐かしさを感じると言われるのは、自分の味だと言いたいし、多少は僕の味の部分でもあるとは思います。

 

しかし、鳥居塚誠一さんの作品を見た時、このノスタルジーを感じさせるのは、もちろん鳥居塚誠一さんの画力が素晴らしいのが一番の要因ですが、ポスターカラーという絵具の持つ味わいもその大きな要因になっていると確信しました。

 

画材の多様化

現代の画材は実に多様化しています。
僕も多少は使いますが、PCで使われるフォトショップやイラストレーターなどのアドビ社製ソフトは、今や絵を描く人には、作品そのものをデジタルで描こうがアナログで描こうが、避けて通れないものとなっています。
イラストを出版社や印刷所に出稿するためには、データで送る事が圧倒的に多くなっています。
その時に指定されるデータ形式は、イラストレーターのファイル形式であるaiや、フォトショップのファイル形式であるpsdである事が圧倒的に多いです。

アナログの絵にしても、もともと絵を描く為の絵具として作られたアクリル絵具や水彩絵具、油絵具などの方が一般的です。

絵具以外にも画材はたくさんあります。
僕の大好きなイラストレーターのわたせせいぞうさんは、着色にマーカーを使われています。
わたせせいぞうさんのギャラリーでスタッフの方にお話を聞いた事がありますが、最近の作品では面積の小さな部分だけマーカーで着色し、面積の広い部分は色指定をして印刷屋さんにお任せしているとの事です。


わたせせいぞうさんの作品
もうお一人、僕の大好きなイラストレーターの鈴木英人さんの作品はシルクスクリーンを使った版画です。
原画はもちろん手描きですが、最近の作品はパソコンも使われていると聞きました。

鈴木英人さんの作品
 
その他にも、僕の友人には色鉛筆を使う絵本作家もいますし、パステルや、ボールペンだけで素晴らしい絵を描く方もいます。

まとめ

しかし、ポスターカラーの、この温かみを感じさせるタッチは、他の画材では出せないものだと思います。
ポスターカラーを、ポスターを描く為の絵具という認識はもう既に昔のものです。
僕はデザインを通してポスターカラーに出会えた事に感謝しています。
そして、これから絵を始めようという方には、僕はポスターカラーを強く強く、おススメしたいと思います。

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