皆さん、こんにちは!
ポスターカラー大好きイラストレーターのすずきかずたかです。
ポスターカラーで描いた作品
ポスターカラーはハッキリとした強い発色が持ち味です。
そのひとつを具体的に言うと、ムラのないきれいな色塗りが出来るという事が、大きな特色になっています。
ポスターカラーをムラなく塗るテクニックの事を「ベタ塗り」と言います。
ベタ塗りを上手に行なう方法
ベタ塗りをひと言で言うと、あるひとつの色をムラが出ないように均一に塗る事です。
ポスターカラーが透明度の低い、強い発色を特徴とする絵具だとは言っても、描く時の条件や素材によってその難易度は変わって来ます。
このベタ塗りを上手に行なうには、3つの条件を満たす必要があります。
ひとつ目は、ポスターカラーに混ぜる水が適量である事、ふたつ目は、ムラが出にくい用紙に描く事、三つ目は、塗り方にかたよりがない事です。
この2つの作品はどちらもポスターカラーでケント紙に描いたものです。
同じ紙に、同じポスターカラーで描いても、濃い色の方がムラは目立ちにくくなります。
また、描く対象の輪郭まできれいに塗ろうとすると、どうしてもムラは出やすくなります。
ムラなく塗る為には全ての箇所を均等の筆圧で塗る必要があり、輪郭をきれいに塗ろうとする行為は、それとは相反する行為だからです。
しかし、安心してください。
物理的にムラなく塗られていなくても、ムラなく塗られているように見せる方法はあります。
対象の輪郭まで均等に塗らなくても、対象の輪郭にギリギリはみ出さないところまでを出来るだけ強い筆圧で濃く塗るのです。
そうする事で、輪郭の周りに多少ムラが残っていても、全体がムラなく塗られているように見えます。
ムラなく塗る為の素材選び
ベタ塗りを上手に行なう為の3つの条件を必ずしも全部満たしていなくても、素材を工夫する事で、
どれかひとつを満たしているだけでも、それなりにムラなく見える塗り方は出来ます。
慣れてくると、紙の材質や水の量に関係なく、筆の動かし方だけでムラのない塗り方をする事が出来るようになります。
この作品は色紙に描いたものですが、ケント紙よりも色紙の方が吸収性が高い為、ムラが出にくくなります。
ポスターカラーに限らず、イラストや絵画は紙に描くのが一般的ですが、板や布に描く事も出来ます。
何でも試してみる事で、自分に合った素材や描き方が見つかります。
紙だけでもいろいろな種類があり、どれが一番良いかは人によって、描き方によって変わってきます。
この大漁旗は、キャラコという布に、ターナーのネオカラーという絵具で描いたものです。
ターナー・ネオカラーもアクリル絵具と似た性格を持っており、乾くと完全に耐水性となり、布に塗ってもほとんどムラが出ません。
ただ、練習用としてはケント紙を使うのが一般的です。
吸収性の良い紙に描けばポスターカラーの伸びは悪くなりますが、ムラは出にくくなります。
逆にあまり吸収性のない素材に描けば、ポスターカラーの伸びは良くなりますが、ポスターカラーの定着度は低くなりますし、ムラも出やすくなります。
ケント紙はそういう意味では、吸収性においても、定着性においても平均的な紙です。
ケント紙が練習用に良いというのはそういう意味です。
紙には目というものがあります。
縦目と横目があります。
紙の目に沿って塗るとムラは少なくなります。
しかし、この目の探し方がはじめのうちはなかなかわかりません。
塗ってみてよりスムーズに塗れたら、それがその紙の目に沿って塗っているという事になります。
これはもう経験で、肌で感じて覚えていくのが結局早道だと思います。
まとめ
ここではあくまでもポスターカラーの特色として、ムラのないベタ塗りテクニックをご紹介しています。
ベタ塗りをせずに敢えてムラを活かして、それが作品の味になる場合ももちろんあります。
テクニックの面から考えれば、ムラなく塗る事が出来て、その上で敢えてムラを活かすような塗り方も出来る事が最も望ましいと思います。
とは言ってもやはり楽しく描くのが一番。
楽しく、好きな素材で自分のもっとも描きやすい方法を見つけ、気がついたら並行して自然にそうしたテクニックが身に付いていた、というのが最も理想的だと思います。
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