重ね塗り~初心者におススメ!ポスターカラーで描く手書きイラスト~

皆さん、こんにちは!
ポスターカラー大好きイラストレーターのすずきかずたかです。


ポスターカラーで描いた作品

 

ポスターカラーは、水性絵具であるにもかかわらず、重ね塗りができるのが大きな特徴です。
先に塗った色が乾いてから、別の色を重ねて塗ると、下に塗った色を隠してしまう事が出来ます。
なので、「やっぱり別の色で塗った方が良かったな」とか、似顔絵を描いていて「あんまり似てないな。もう少し手を加えて本人に似せたいな」という場合は、先に塗った色の上に更にいろいろ描き足していく事が出来るという事です。
但し、あくまで先に塗った色が乾いている事が前提です。
乾き切っていないうちに別の色を塗ったら、当然色が混ざり合ってしまいます。

 

重ね塗りは十分乾いてから

まだ乾き切っていないけれども、乾くまで待ちきれないという場合は、ヘアドライヤーで乾かすのもアリです。
ただし、絵具が乾き切っていないという事は紙が濡れている状態という事ですから、高温の熱風を長時間当てると紙がデコボコになってしまうので、適度な温度で、あまりドライヤーを紙に近づけ過ぎないように気を付けましょう。

 

 

また、先に塗った色が乾いていても、重ね塗りする時にポスターカラーに水を含ませすぎても同様の結果になってしまいます。
これは先に塗った色が溶け出したわけではありません。
それでも色がにじむ状態を「色が泣く」といい、ポスターカラーに含まれる染料が原因です。
いずれにしても、重ね塗りをする時は、下の色がしっかり乾いてから、適量の水を含ませて描くようにしましょう。

 

 

重ね塗りは1回だけという事はありません。
僕も特に似顔絵を描く時は、似てくるまで3回、4回と塗り重ねていく時があります。
但し、あまり多量のポスターカラーを何回も塗り重ねると、その部分だけ厚くなり過ぎて、乾いてからひび割れの原因になる事があるので注意しましょう。
そうならないようにする為には、塗る前に溶き皿でポスターカラーとミクスチュアを混ぜておくか、重ね塗りをする前にトリパブ(定着液)を吹きかけておく事をおススメします。
しかしそれにも限度と言うものがありますので、そうしたものに頼らなくても良いように、重ね塗りした部分が厚くなり過ぎないように、水分同様、絵具も適量を使って塗るようにしましょう。

 

 

 

描く側から見て一番イヤなのは、せっかく描いた作品が、乾いた後にひび割れて剥げ落ちてしまう事です。
これだけは絶対に避けましょう。
その為にも、できるだけ重ね塗りをする時は絵具を薄くのばすか、小分けにして塗るようにしましょう。
僕が色を重ね塗りする時は、面相筆のような細い筆で、何回も細い線を引くように塗って行き、最終的に面を塗ったような効果を出すようにしています。

 

 

 

一度塗った面の上では、特にポスターカラーは、かなり薄く塗っても色味はハッキリと見えます。
慌てて重ね塗りをすると、せっかくの作品が台無しになってしまうので、重ね塗りは本当に慎重にやりましょう。

 

 

トリパブの応用

定着液であるトリパブを、重ね塗りする前に吹き付けておき、それが更に乾くのを待ってその上に色を塗ると、より強い発色をする絵になります。
また、ポスターカラーをそのまま塗るとはじいてしまうような場合にトリパブを吹き付けておくと、色が塗りやすくなります。
この場合も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で、吹きつけの量が多すぎると、ポスターカラーの発色が変わってしまったり、余計な光沢が出てしまうので注意しましょう。

 

 

ミクスチュアの応用

ミクスチュアは、絵具に含まれている粘着質の溶液の事です。
ポスターカラーで水彩画のような効果を出した作品を描く時に使います。
水彩画的な効果を出すためにポスターカラーを水で薄めすぎると、色が落ちやすくなってしまうばかりか、ポスターカラー本来の発色の良さも損なわれてしまいます。
ミクスチュアを混ぜても画面に光沢が出る事はないので、つや消しの状態で仕上げる事が出来ます。
ミクスチュアはそれほど多く入れなくても効果は十分に得られます。
一滴たらす程度でも十分効果はあります。

 

まとめ

いろいろ注意点も書きましたが、いっぺんに覚えようとしなくても大丈夫です。
やってみてダメだったら、そこで覚えて修正すればいいのです。
道具もいっぺんに買い揃えなくても、必要に迫られてから買っても十分です。
僕も18年通ったデザイン教室で最初に先生に言われたのは、「ポスターカラーはまず2色くらいあれば十分です」という事でした。
だから、自分の描きたい絵のイメージを良く考えて、本当に必要だと思う色を買うようにしましょう。
描いているうちに自分の描きたい絵のイメージがどんどん具体的になって来ます。
そうすれば更にどんな色が必要なのかがわかって来ます。
重ね塗りによるひび割れを防ぐ事もそうですが、画材や道具は大事に使いましょう。

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です