初心者向け~ポスターカラーで描くバイク(スクーター)の手書きイラスト

皆さん、こんにちは!
ポスターカラー大好きイラストレーターのすずきかずたかです。


ポスターカラーで描いた作品

 

今回はバイク(スクーター)の絵の描き方をお伝えしたいと思います。
乗り物のほとんどは、基本的な図形の組み合わせで描く事が出来ます。

 

なぜバイクの中でもスクーターの絵を描くのかというと、単純に描きやすいからです。
ハーレーダビッドソンのような大きなバイクでも良いのですが、ある程度リアルに描こうとした時に、かなり部品の数が多いので、ちょっと煩雑になります。
ここでは、乗り物の絵を描く時に、いかにそれらしく見える絵を描くかが目的なので、比較的デザインがシンプルなスクーターを描きたいと思います。

 

 

スクーターとは

スクーターは、運転者が足元のステップ状のフロアに足を乗せて運転するタイプのオートバイの事です。
乗る時の姿勢も前傾姿勢にならず、普通に椅子に腰かけているような感覚なので、座って移動しているような不思議な乗り物ですね。

日本でスクーターと言えば、「原動機を座席の下に設け、前方に足踏台のある、車輪の直径が22インチ以下であるような2輪自動車を指す」と経済産業省が定めています。

「ラッタッタ」のキャッチコピーで有名なホンダ「ロードパル」のCM効果や商品の大ヒットで、スクーターは「誰でも手軽に乗れる乗り物」というイメージが一気に定着しました。

 

個人的な趣味で申し訳ありませんが、僕は俳優の松田優作さんの大ファンです。
なので、スクーターも松田優作さんがドラマ「探偵物語」の中で乗っていた「ベスパ」を描いてみたいと思います。


「探偵物語」でベスパに乗る工藤俊作こと松田優作さん

 

 

下描き

下描きはいつも通り、2B、4B、6Bなどの芯が柔らかくて色の濃い鉛筆を使います。

スクーターの下描きをザックリと描くと、このような絵になります。
2つの車輪を描き、横線を引きます。
そして前輪から斜線を引きます。
後ろ半分に台形を描き、車体の床面と前面をつなぎます。

 

 

基本的な下描きはこのように非常にシンプルなのですが、角度を付けて描くとよりスクーターらしく見えるので、斜め前から見たところを描く事にします。
当然見本を見なくては描けませんので、ネットで探した画像や写真を見ても良いですし、実際にスクーターをお持ちの方は、愛車を見ながら描くとよりモチベーションが湧いてくるかもしれませんね。

斜め前から見たところですので、当然スクーター本体の厚みを描き加えていきます。

 

後は細部を描き込んで行きます。
これで下描きは終わりです。

 

 

色塗り

次は色塗りですが、ここで問題なのは、松田優作さんがドラマで乗っていたベスパの色は白だったという事です。
あなたが描こうとするスクーターが必ずしもベスパである必要はありませんし、ましてや色が白である必要もありません。
しかし、僕は今松田優作さんが乗っていたのと同じ白のベスパを描こうとしています。

元の紙が白ですから、その白を活かすという考えもありますが、下描きの線なども描き込んであるので、あまりきれいな白ではありません。
消しゴムで消すという方法もありますが、下描きの線はある程度残しておかないと、後で別の部分を塗る時に困った事になります。

そこで、ここではニッカ―のポスターカラーの「スノーホワイト」で塗っていくという方法を取ります。
スノーホワイトはこれまでもご紹介してきたように、チラシの印刷用の版下などに使う、「他の色の上に描ける白」なので、下描きの線を隠す効果があります。
なので、ここではスノーホワイトで、主要な下描きの線を残しつつ、その他の余分な描き込みを塗り潰すように塗っていきます。

 

 

 

白い部分がだいたい塗れたら(だいたいで大丈夫です)、他の色を塗っていきます。
シートやタイヤ、ハンドルのグリップなどを「ブラック」で塗ります。
この時に、やはり全部ブラックで塗り潰さずに、境界線などの主要な下描きは残しておきます。

 

同じように、ミラーやホイール、ヘッドライトなどを塗っていきます。
ちなみにここで僕が使ったのは、「フレンチグレー」と「ブルーグレー」です。


 

 

主要な部分の色塗りがほぼ終わったら、残しておいた下描きの線に沿って、境界線や陰影などを塗っていきます。
この時は、できるだけ周りの色に近い色を使った方が自然に見えます。
例えば、白の中の線や陰ならグレー、ライトを塗ったブルーグレーの中の光を表現するのなら白を使うというように、グラデーションを付けて行くようにすると良いでしょう。
なにしろ、殆んどが「実物にはない線」を違う色で表現するわけですから、できるだけ周りと違和感のない色が良いのです。

 

最後に、テールランプやウインカーといった部分を塗って、概ね色塗りは終わりです。

 

仕上げ

「概ね」と言ったのは、ここから更に微調整をしたいからです。
もちろんこの段階で完成としても良いのですが、こだわりたい方にはもっと色塗りが楽しくなるこだわり方をお伝えします。

まず、後輪のホイールカバーの部分のグレーが少し濃いのが気になりました。
なのでもう一回、グレーの上から、水を多めに混ぜて薄めたスノーホワイト(ここは普通のホワイトでも大丈夫です)で塗ります。

これで不自然さが緩和されました。
またこの時に、塗り残した白い部分も塗って、下描きの線が残って見えることがないようにします。
最初の段階で「白の色塗りはだいたいで大丈夫」とお伝えしたのは、いずれにしてもここで仕上げの為の微修正をするからです。

 

 

バックを塗る

いよいよバックを塗って完成です。
今回はメインのスクーターが白で塗ってあるので、際立たせるように濃い目の色で塗ります。

また個人的な趣味で申し訳ありませんが、「探偵物語」の中の松田優作さん演じる探偵・工藤俊作はコーヒーが大好きです。
なので、松田優作さんに敬意を表してコーヒー色、という色はないので、コーヒーに近い「チョコレート」という色で塗る事にします。
いつものように、せっかく塗ったスクーターに色がはみ出さないように、ナムラのデザイン筆の中でも細い筆の「面相筆」を使って周りを丁寧に塗ります。

 

 

周りをこのように塗ってしまえばはみ出す心配はないので、後は思い切り広い面積の部分を塗っていきます。
この時に、鉛筆の下描きなどが残っていたら、それも同時に塗りつぶします。

また、ムラのないように塗るには、ポスターカラーに出来るだけ水をあまり混ぜずに濃い状態で、筆を一定の方向に動かしながら塗るのがコツです。

 

まとめ

これで完成です。
ベスパは元々クラシックなデザインのスクーターなので、レトロ調の色の方がしっくりきますね。

もしもあなたがベスパでない、別のスクーターやオートバイに乗っていらっしゃるのなら、もちろん愛車をモデルにしてください。
とにかく好きなものを描くのが楽しく描くコツですからね。

いかがでしょうか?
スクーターに限らず、乗り物は殆どが単純な図形の組み合わせで出来ていますので、応用すれば他の乗り物を描く時の参考にもなるはずです。
いろいろ好きな乗り物を描いてみてください。
お子さんがいらっしゃる方はお子さんの好きな乗り物を描いてあげたりしてみてください。
きっと喜ばれますよ。

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