用具紹介~初心者におススメ!ポスターカラーで描く手書きイラスト~

皆さん、こんにちは!
ポスターカラー大好きイラストレーターのすずきかずたかです。
今回はポスターカラーで絵を描く時に必要な用具、あれば便利な用具をご紹介します。


ポスターカラーで描いた作品

パレットナイフ

ポスターカラーを瓶から取り出したり、色を混ぜる時に使います。

その他に、僕はポスターカラーが乾いて固まってしまった時にも使います。
乾いたポスターカラーの瓶の中に適量の水を入れ、パレットナイフでかき混ぜると、固まっていたポスターカラーが見事に復活します。

ポスターカラーは固まってしまうともう使えないと思っている方が多いですが(僕もそう思っていました)、そんな事はないので安心してください。
溶剤が固まっただけで、顔料自体には変化はありません。
要するに成分は全く変わっていないという事です。
水やお湯を足せば元に戻す事ができますので、潔く捨ててしまうのはやめましょう(笑)

ちなみに僕はあまり色は混ぜません。
色を混ぜる時は、複数の色のポスターカラーを全く同じ比率で混ぜないと、二度と同じ色を作る事は出来ません。
二回以上に分けて同じ色を混色で作るのはたいへんな作業です。
だから、色を混ぜる時で、その色をその後も使う予定があるのなら、多めに作っておく必要があります。
僕も表現上どうしても必要な時は色を混ぜますが、面積の多い部分はなるべく単独の色を使うようにし、面積の少ない部分に混ぜた色を使うようにしています。

どうしても色を混ぜたい時には、ニッカ―のポスターカラーなら、空の瓶が画材店で売っていますので、混ぜた色の量によってはそうしたもので保存する事は可能です。
もちろんわざわざお金を出して買わなくても、保存の効く瓶など(例えば薬瓶など)があれば、それで十分です。

また、僕もニッカ―のポスターカラーの瓶に入ったタイプを使っています。
瓶に直接筆を入れて絵具をつける描き方をしているので、予め溶き皿にパレットナイフでポスターカラーを出して使うという事はしていません。
18年間通ったデザイン教室に入ったばかりの頃、少し多めにポスターカラーを溶き皿に出して描いていたら、それ以降とても可愛がって頂いた先生に「もったいないじゃないですか」と注意された事があるからです。
僕が先生に注意されたのは、その時くらいです。

パレットナイフは画材店でも売っていますが、百均でも売っていますので、それで十分だと思います。
コンビニなどでカップ入りのアイスを買った時に付けてくれるプラスチック製のスプーンを使用しても良いと思います。

ポスターカラーを固めない、つまり水分を蒸発させない為には、瓶なら逆さにしておくと効果的です。
チューブタイプなら、まとめてビニール袋に入れておくと長持ちします。

復活剤

溶き皿に出したポスターカラーが残ってしまった場合は、もったいないので保管してまた使いましょう。
皿のポスターカラーが固まってしまった場合は、水だけで元に戻せればそれに越した事はないのですが、ポスターカラーには「復活剤」という便利な画材があります。
ニッカーポスターカラーのメンテナンス用の液体で、固まりかけた絵具を色を薄めずに元の状態に復活させてくれます。
また、絵具の表面に蓋をするようにかけておくことで、乾燥やカビの防止にもなります。
その上にラップをしておけばさらに効果的です。
特に、混色してたくさんの色を使いたいという方は、この復活剤を持っていれば同じ色を再現する悩みから解放されると思います。
また、大型の作品を制作する時にも便利ですね。

 

トリパブ

ポスターカラーは、アクリル絵具などに比較して保存が難しいというイメージがあります。
確かにアクリル絵具は、水性絵具ではありますが、乾くと耐水性になって剥がれ落ちたりすることがありませんので、保存性に優れています。

 

 

僕はポスターカラーを使うので経験でわかっていますが、乾燥すると、特に厚塗りした部分はひび割れして剥がれ落ちる事があります。
しかし、ポスターカラーのあの温かみのある風合いを長期間保存できないというのはなんとも寂しい話です。

そんな時に強い味方になってくれるのが「トリパブ」というスプレーです。
トリパブはポスターカラー専用の定着液です。
描いた絵に吹き付けて定着させた後、さらにその上に着彩できるタイプもありますし、絵に吹き付けるとアクリル絵具と同じように耐水性になるタイプもあります。
色を塗る前にポスターカラーにトリパブをかけてよく混ぜると、塗った時に付着力が増します。

こんなスグレモノがあれば、魂を込めて描き上げた作品をいつまでも保存できます。
今はスキャナーなどで作品をデータ化して保存しておく事が出来ますが、やはり原画に勝るものはありませんよね。

 

 

 

まとめ

ここに書いた用具は、どれも絶対なくては絵が描けないと言うものではありません。
しかし、絵を描き始めてしばらく経つと、人それぞれの個性が明確になってきて、こだわりも出てくるものです。
僕のこだわりは、デザイン教室の先生に習ったアイディアで、モチーフの下描きをした後、着彩の時にセピア系の同系色を使って塗り固めていくという方法です。
そういう描き方をする関係上、塗る部分が多いほど、色のバリエーションが必要になる事があります。
このような時は、面積の少ない部分を優先して、同系色の混色を作ったりします。

また、描いた作品をどう使うのかによって、保存の方法も違って来ます。
印刷する作品なら印刷会社や出版社に入稿するデータをベストの状態で作成すれば、原画に関してはそれほど保管という事にはこだわりません。
そうした作品や、当面自分で保管しておくだけの作品ならデータ化しておけば良いと思います。

しかし、個展やグループ展で販売する商品や、大切な人にプレゼントする作品は、保存が効くようにしておきたいものです。
大切な作品を、用途に応じて最高の形で旅に出す事が出来るように、こうした用具・画材をうまく使っていきたいですね。

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