初心者向け~ポスターカラーで楽しく描く野菜の手書きイラスト~くわい

皆さん、こんにちは!
ポスターカラー大好きイラストレーターのすずきかずたかです。


ポスターカラーで描いた作品

 

今回も身近な野菜のイラストの描き方をお伝えします。
「くわい」という野菜を描いてみたいと思います。
普通にポスターカラーで塗るだけではなく、少し工夫もしてみようと思います。

 

 

「くわい」について

「くわい」という名前はあまり一般的ではありませんが、中国原産の野菜で、サトイモに似た形をしています。

日本では煮物や素揚げにしたり、栗ご飯のように「くわいご飯」などにして食べるのが一般的です。



「くわい」という呼び名は、収穫されたくわいの見た目が農業用の鍬に似ている為に「くわいも」と呼ばれていたのが転じて「くわい」になったという説などいろいろあります。

欧米ではくわいを食べる習慣は殆どありませんが、日本では煮物をおせち料理に使うなど、非常に重宝され、くわいは世界中でも日本で最も消費されています。

 

 

 

下描き

それでは下描きから始めます。
いつものように、2B、4B、6Bと言った芯が柔らかくて色の濃い鉛筆を使います。
実物がなければ、ネットなどで探した画像を見ながら描いてみましょう。

 

①まずは下描きの下描きです。
くわいは、塊茎(かいけい)と呼ばれる「実」の部分と、大きく突き出た「芽」の部分で構成されています。
ざっくりと下描きの下描きをすると、さくらんぼのような形になります。

 

 

②下描きの下描きを肉付けしていきます。
芽の部分を太くしていきます。
塊茎の部分には皮があります。

これで下描きは完成です。

 

 

色塗り

次にポスターカラーを使って色塗りをしていきます。
僕が今回使った色は、ニッカ―ポスターカラーの「ジョンブリアン」、「バントシェンナ」、「セルリアンブルー」、「ローアンバー」の4色です。
毎回くどいようですが、必ずニッカ―のポスターカラーを使わなくてはいけないわけではありません。
他のメーカーのものでも良いですし、似た色で代用しても大丈夫です。
ただ、僕はニッカ―のポスターカラーが使いやすいからそうしています。
「世界堂」さんのような大きな画材店にはニッカ―のポスターカラーが全色置いてありますし、世界堂さんのオンラインショップやAmazonでも販売されていますので、可能な方はそうしたところからご購入頂ければと思います。

 

まず、ジョンブリアンで芽の部分を塗ります。
この時、水彩絵具と同じように出来るだけ水を多めに混ぜて、下地の紙の色が透けて見えるくらいの薄さで塗ってください。

 

 

ジョンブリアンが塗れたら、先端と付け根にバントシェンナをやはり薄く乗せていきます。
冒頭で「塗り方に工夫をする」とお伝えしたのはこの事です。
水彩絵具のように薄く塗っていけば、このように違う色を乗せても、同系色であれば自然に馴染んで見えます。

 

 

次に塊茎の部分です。皮の縁の方はジョンブリアンで塗り、それ以外の部分はセルリアンブルーで塗ります。
芽の部分は同系色の2色で塗りましたが、塊茎の部分は全く違う色の系統の2色なので、ポスターカラーでこれを自然な滲み具合に見せるのには、テクニックはそれほど必要ありませんが、根気は結構要ります。

 

まず、芽と同じように水を多めに混ぜて、上部のジョンブリアンから塗ります。
塗ったジョンブリアンが乾かないうちに、下部のセルリアンブルーを塗っていきます。
なかなか一回で決まらない場合も多いので、その場合は乾くのを待って、筆に水だけを付けて同じ個所に再度筆を走らせてみましょう。

 

この時に水だけを筆につけるのは、ポスターカラーまで付けてしまうとお互いの色味がより一層強く出るので、なかなか馴染みにくくなってしまうからです。
水彩絵具ほどの自然な滲み感はなかなか出せませんが、何回かやっているうちに「このくらいなら良いかな」という感じにはなって来ました。


ポスターカラー本来の、敢えて色味の違う2色をそのままぶつける、という方法もあります。
もちろん仕上がり感は全く違って来ます。
今回は水彩絵具のように、違う色味の2色を滲ませるイメージで塗りました。

 

最後に塊茎の上部を塗ります。
ここはセルリアンブルー一色で塗るので、理屈から言えば水を多めに混ぜて薄める必要はないのですが、他の箇所を薄めて塗っているので、多少薄めてムラを作り、バランスを取るようにします。
これで「くわい」本体の色塗りは終わりです。

 

 

バックを塗る

最後にバックの色を塗って完成です。
どうも野菜をはじめとする食べ物の絵は、アースカラー系の色を使った方がしっくりきますね。
元々が土の中で育つ野菜だからでしょうか。

なので、今回はローアンバーという色でバックを塗ります。
細い筆でまず周りを塗り、「くわい」本体にバックの色がはみ出さないようにします。

 

最後にバックを全て塗って完成です。
バックはポスターカラー本来の、ムラの少ない厚塗りで仕上げました。
ムラを少なくするには、あまり水を混ぜ過ぎない事、筆を出来るだけ同一方向に動かして塗る事です。
もちろん、バックもくわい本体と同じように、敢えてポスターカラーを薄めて、ムラを作って塗っても良いわけです。
この辺はお好みでやってみてください。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は意図的に系統の違う2色を水彩画風に滲ませる体裁をとって塗りましたが、本文中にも書いたように、ポスターカラー本来の色の強さを活かして隣り合わせの色同士をぶつかり合わせても、それはそれで面白い味が出ます。
お時間のある方は両方やって試してみるのも面白いと思います。
ちなみに僕は、ポスターカラー本来の、色の強さのぶつかり合いが好きです。
バックの色をどうするかなども含め、個人の好みの問題もありますので、絵を始めたい方はいろいろ試してみてください。
試行錯誤しているうちに、あなたのタッチというものも徐々に固まってくると思います。

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