初心者向け~ポスターカラーで描く猫の手書きイラスト

皆さん、こんにちは!
ポスターカラー大好きイラストレーターのすずきかずたかです。


ポスターカラーで描いた作品

 

今回は、動物の絵、それも僕達の生活の中で犬と並んで最も身近な動物である、猫のイラストの描き方をお伝えしたいと思います。

 

 

似顔絵でも描く機会の多い猫

猫というと、家の中で飼っている方も多く、殆んど家族の一員になり切っているイメージが強い動物です。
僕も似顔絵を頼まれたり、友達に似顔絵を描いてプレゼントする事がありますが、愛犬や愛猫と一緒のところを描いて欲しい、と頼まれる事が多いです。
つまり、人物画を描こうと思ったら、ワンちゃんやネコちゃんの絵も描けた方が、より多くの人に喜んでもらえるという事ですね。

 

 

下描き

それでは猫の下描きから始めます。
いつものように2B、4B、6Bといった、芯が柔らかくて色の濃い鉛筆を使って輪郭から描いていきます、
いきなり細部は描かないで、まず身体のパーツを大雑把に、だいたいのバランスを見ながら描いていきます。

この時に注意すべき点は、猫ならではの特徴です。
まずひとつは、4本の脚の関節の曲がり方です。

当然の事ながら、人間や、馬のような動物とも関節の曲がり方が違います。
大雑把な輪郭を描くと、次のような絵になります。
実物は動いてしまってなかなか描きにくいと思うので、写真や図鑑などを見て関節がどのように曲がっているか、観察してみてください。

 

 

だいたいの輪郭が描けたら、次に細部を描き込んで行きます。
猫を描く上でもうひとつの注意点がここにあります。
猫の顔はとても小さいという事です。
意図的に少し小さめに描いた方が、より猫らしく見えます。

また、この時に色の境目となるところにも線を描き入れておきます。

これで下描きは完了です。

 

 

色塗り

次に色塗りですが、猫の色の塗り方と言ったら、猫が100匹いたら100通りの、いや、個人個人で表現の仕方が違いますから、100通り以上の塗り方があります。
僕は白と茶の2色のネコを描いたので、まず背中の部分をニッカ―のポスターカラーの「イエローオーカー」で塗りました。
この色塗りの時は、よほど実物とかけ離れていない限り、あなたの好きな色で塗って構いません。
実物はあなたにしか見えていませんからね。

 

次に、白い部分を「スノーホワイト」で塗ります。
元々紙が白いんだから塗る必要はないんじゃないか?とも思いますが、鉛筆の下描きが残っているので、ここは「スノーホワイト」で塗ります。


なぜ鉛筆の下描きを消しゴムで消さずに「スノーホワイト」で塗るのか、その理由は後ほどご説明します。
また、なぜ「ホワイト」でなく「スノーホワイト」なのかというと、スノーホワイトはチラシの版下などに使う、他の色の上に描ける「白」なので、下描きの鉛筆の色に負けないからです。
かと言って、よほどの厚塗りをしない限り、下描きが全く見えなくなってしまう事もありません。
この、「全く見えなくなるわけではない、微妙に下描きが見える状態」というのが、後で活きて来ます。

 

 

スノーホワイトを塗り終ったら、光の具合で陰になる部分や耳の内側などを「ネープルズイエロー」で塗ります。
この時に目印になるのが、うっすらと見える下描きです。
スノーホワイトの下から透けて見える下描きを目安にしながら、陰になる部分を塗っていきます。

 

 

陰をつけたら、眼など細部を塗ります。
この辺も猫によって色の違う部分なので、実物からかけ離れない程度に好きな色で塗ってみましょう。

正確に言うと猫の目は、人間で言う白目の部分が非常に狭くなっており、普段見えている猫の目は、人間で言う瞳の部分です。

猫の瞳の色は、色の濃さや色合いが多少違いますが、大きく分けるとカッパー(金属の銅の色)、薄茶色、緑、青の4色に分けられます。
ここではクロームグリーン(1)という緑系の色で塗ります。

 

 

また、猫の毛はどこの部分も全く同じ色という事はあまりないはずです。
猫の毛は品種によって様々なパターンを持っています。
同じ種類であってもいろいろな色や模様を持っている、動物の中でもとても珍しい種類です。
逆に言えば、全く同じ色や模様を持つ猫は2匹としていない、という事になります。

実物と完全に同じにする必要はありませんが、実物を参考にしながら多少違う毛の色を描き加えると、よりリアリティが出て来ます。

 

 

ちょっと耳の内側をもう少し広く描いた方が良いかな、と思ったので、耳の内側に「ネープルズイエロー」を塗り足して広げてみました。
これで猫の顔の小ささがより強調されました。

 

 

仕上げ

最後にバックの色を塗って完成です。
猫の白を際立たせるために、濃い目のグリーンで塗ってみました。
この時に、色のはみ出し部分や、鉛筆の下描きが残っている部分なども全て塗りつぶしてしまいます。

 

 

まとめ

冒頭でもお伝えした通り、猫はペットとして人間の生活に密着した動物です。
飼っている方からみたら、人間の家族と変わらないと思っている方も大勢います。
似顔絵を描く場合、ご本人と一緒に愛猫も描いて欲しいという方や、場合によっては「自分は良いから、猫だけ描いて」と仰る方もいらっしゃいます。
それだけ、猫という動物は人間に愛されている動物なのですね。
好きな人を喜ばせる事が出来るように、猫の絵を楽しみながらたくさん練習しましょう。

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