皆さん、こんにちは!
ポスターカラー大好きイラストレーターのすずきかずたかです。
ポスターカラーで描いた作品
今回は、ポスターカラーを使って可愛い小鳥のイラストの描き方をお伝えしたいと思います。
小鳥と言ってもいろいろな種類がありますが、今回は僕達にもなじみが深く、絵にした時に映えやすい「オカメインコ」を描いてみたいと思います。
オカメインコとは
オカメインコは、実際に飼ったり、目にした事がある方も多いと思います。
頭頂部にある「冠羽(かんう)」が特徴的な小鳥です。
名前にインコとありますが、実際はオウムの仲間です。
実際に僕も飼った事がありますが、実に人懐っこい小鳥です。
毎日同じ言葉を言って聞かせると、その言葉に似た「鳴き声」を発するようになります。
鳥かごに手を入れると、すぐに手の上にチョンと乗って来ます。
小鳥を飼った事のない方から見ると、「くちばしで噛まれるのではないか?」というのがひとつの懸念材料だと思います。
確かに、小鳥の中にはかなり強い力で噛んでくる種類もあります。
しかし、オカメインコに関して言えば、噛んでは来ますが全然痛くはありません。
むしろオカメインコがそれだけ懐いているんだな、というくらいの気持ちで見てあげられるくらいの可愛らしい噛み方です。
頭頂部の冠羽が特徴的でカッコいいのですが、この冠羽の立ち方にはオカメインコの精神状態が表されています。
ピンと真上に立っている時は、緊張したり驚いたりしている時の状態です。
リラックスしている時はこの冠羽は寝た状態になっています。
だから、手の上に乗ったオカメインコが冠羽を寝かせている時は、かなりその人に懐いている状態だと言えます。
しかし、今回のオカメインコの描き方では、せっかくの特徴である冠羽の立った状態を描く事にします。
実際にオカメインコと接する時は、なるべく冠羽が寝た状態になるようにしてあげてくださいね。
下描き
さて、まず下描きからです。
いつものように2B、4B、6Bといった、芯が柔らかくて色の濃い鉛筆を使います。
オカメインコに限らず、多くの小鳥がそうなのですが、おおよそのシルエットを、「頭と胸」部分と「下腹部」部分を等辺とする二等辺三角形と見ると描きやすくなります。
なので、まず全身をイメージして二等辺三角形を描きます。
その中に頭と身体を描きますが、頭は円形をイメージし、身体は大きな卵型をイメージして描きます。
次に細部を描き込んで行きます。
小鳥の実物は動いて描きにくいので、図鑑などを見て描きましょう。
尾と羽はほぼ同じくらいの長さにするとバランスが取れます。
顔や冠羽、くちばしまで描いたら下描きは完成です。
色塗り
いよいよ色塗りですが、ご存知の通りオカメインコは全体的に明るい黄色の羽を持っています。
そこで、ニッカ―のポスターカラーの「パーマネントイエロー」でまず全体を塗ります。
すみませんが、全体を黄色で塗った時の画像を撮り忘れてしまました。
一旦羽の部分を全て黄色で塗ってください。
その上で、「パーマネントイエロー」が乾いてから、「ホワイト」に水を多めに混ぜて薄くしたものをオカメインコの首より下に塗っていきます。
というのは、オカメインコは首より上はかなり濃い黄色ですが、首から下は白っぽい黄色をしているからです。
乾いた「パーマネントイエロー」に上に、水分を多めに含んだ「ホワイト」を塗ると、ホワイトの下からパーマネントイエローが透けて見えて(あるいはパーマネントイエローと混ざり合って)、白っぽい黄色になります。
予め白と黄色を混ぜて塗るよりも、絵具をムダにしなくて済みますし、この方が首の上と下のグラデーションが自然に見えます。
身体が全部塗れたら、白い部分で陰になっている部分や、羽同士の境目をもう一度パーマネントイエローで塗ります。
これで自然な感じの陰影をつける事が出来ます。
次に、細かい部分を塗っていきます。
参考までに、僕はくちばしは「イエローオーカー」、足は「コーラルピンク」、鼻の部分は「ジョンブリアン」で塗りました。
また、足はこの段階では爪の先まで「コーラルピンク」で塗っておいてください。
くどいようですが、既に絵具を持っている方は、必ずしも僕と同じ色で塗る必要はありません。
ポスターカラーもニッカ―のものでなくてはいけないという事はありません。
ただ、これから徐々に買い揃えていきたいという方には、できるだけニッカ―のポスターカラーをおススメします。
足の爪は、身体の羽と同様に、足の色と同系色ではあるのですが、色が白っぽくなっています。
なので、羽を塗ったのと同じように、足の色が乾いてからホワイトに水を多く混ぜて薄くしたもので足の爪を塗ります。
こうする事で、下地のコーラルピンクが透けて見えて(あるいはコーラルピンクと混ざあり合って)、足の色より少し白っぼい爪の感じが出せます。
あと少しです。
オカメインコの名前の由来でもある頬っぺたの斑点をオレンジ色で塗ります。
また、オカメインコの可愛らしさのポイントである目を黒く塗ります。
仕上げ
目の周りは薄いベージュで囲まれています。
なので僕は「ジョンブリアン」で目の周りを塗りました。
また、目に「スノーホワイト」で白い点を入れてあげると可愛らしさが増します。
この時、白い点を少し上よりに入れてあげると、小鳥独特のキョロキョロしている視線が表現できてより可愛らしく見えます。
バックを塗って仕上げです。
白い色が際立つように、濃い目の「ターキーグリーン」という色で塗りました。
オカメインコは身体のバーツが細いので、いつもよりもはみ出さないようにより注意します。
なので、僕はナムラのデザイン筆のひとつ、「面相筆」を使いました。
周りを丁寧に塗ってしまえば、あとは太めの筆で力強く塗っても大丈夫です。
この時ムラを作らないようにする為には、「できるだけ水を混ぜる量を少なめにして濃い目のまま塗る」「筆を同じ方向に動かす」事がコツです。
まとめ
オカメインコの体色はとてもきれいなのですが、単色では表現しにくい薄い色が多いので、今回は重ね塗りの技法を多用しました。
初めから混合色を作るという方法もあるのですが、どの位の量が必要かわからない為に、混合色を多めに作り過ぎてしまって、結果絵具を余らせてしまうというもったいない事になる場合もあります。
また、今回のように一旦すべてを単色で塗ってから、その上に白を薄くして塗ると、元の色と違和感がなくなりますし、塗りながらの微調整もしやすくなります。
これは、どちらが良い悪いという事ではなく、描く人によってやりやすい方でやれば良いと思います。
犬や猫同様、小鳥、それも手乗りの小鳥はもう家族の一員と言っても良いと思います。
また、他の小鳥にも同じ傾向はありますが、小鳥は自分で自分の首の周りを掻く事が出来ません。
なので、気を許した人には「首の周りを掻いて」と言いたげに、首を差し出してきます。
そういう時に、首の周りを親指と人差し指でこすってあげると、気持ちよさそうに目を閉じています。
こういう動作の愛らしさまで含めて表現する事が出来たら、もうその絵はオカメインコそのものと変わらないと思います。
そこまで表現で来たらもうその小鳥の絵は、描いてもらった方にとって一生モノになる事は間違いありません。
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