初心者向け~ポスターカラーで描く帽子の手書きイラスト

皆さん、こんにちは!
ポスターカラー大好きイラストレーターのすずきかずたかです。


ポスターカラーで描いた作品

 

今回も、身近にある「身につけるもの」の描き方をお伝えしたいと思います。

身に付けるものと言えば思い浮かぶのは、帽子、トップス、ボトムス、靴、アクセサリーなどいろいろとあります。
トップスとボトムスはどうしても人間の身体と一緒に描いた方が良いと思うので、もう少し先にしたいと思います。
別の回で靴の描き方はお伝えしましたので、今回は「帽子」の描き方をお伝えしたいと思います。

 

帽子にもベースボールキャップハンチングキャスケットニットキャップソフト帽などいろいろとありますが、ここはもっともオーソドックスなベースボールキャップを描いてみたいと思います。

 

 

ジャイアンツの帽子

ベースボールキャップと言えば、やはり野球チームの帽子ですよね。
僕はかつてジャイアンツファンだったので、ここはやはりジャイアンツの帽子で行ってみたいと思います。
阪神ファンの方、ごめんなさい(笑)
「かつてジャイアンツファンだった」というのは、別にジャイアンツファンからアンチジャイアンツになったというわけではなくて、かつての王選手原選手江川投手松井選手のような強い思い入れのある選手がいなくなってしまった事が理由のひとつです。

それと、今は放送媒体も多様化して、昔では考えられなかったパリーグの試合もたくさん中継されて、人気も実力もどんどん上がっています。

良い意味で、野球が昔より面白くなってきているんですよね。
昨年の日本シリーズヤクルトオリックスの対戦でしたが、あまりに内容の濃い試合だったので、シリーズの期間は大好きなボクシングジムにも行かないで、テレビにかじりついていました。

 

話がだいぶ横道に逸れましたが、ジャイアンツの帽子です。
また横道に逸れますが、僕達が小学生の頃は、ジャイアンツのマークの付いた黄色い帽子をかぶっていましたよね。
交通安全の為に、目立つ黄色にしたのでしょうが、そこにもジャイアンツのマークが付いていた事に、ジャイアンツの人気の根強さを感じます。

 

ジャイアンツの帽子もデザインが大きく変わる事はありませんでしたが、時代によってディテールが少しずつ変わっています。

長嶋監督が最初に監督をやられていたころの帽子は、一番伝統のあるオーソドックスなスタイルで、ベースは黒で、ジャイアンツのYGマークが付いていました。

 

長嶋監督が二回目に監督に就任された時の帽子は、デザインは変わりませんでしたが、天ボタンがオレンジ色になりました。
これは個人的な意見ですが、何だか中国の手品師みたいだなあ、などと思ってしまいました。

 

次のマイナーチェンジは原さんが監督になられた時です。
ユニフォームも含めてadidas製になり、より洗練されたデザインになりました。
帽子の天ボタンも黒に戻りました。
そして、帽子のつばのサイドの部分がオレンジ色になりました。
とても締まってスタイリッシュなデザインで、僕はこの頃のジャイアンツの帽子が一番好きです。
なので、今回はこのデザインの帽子を描きたいと思います。

 

下描き

もういい加減に絵の描き方に話を移しましょう(笑)

下描きはいつものように、2B、4B、6Bなどの、芯が柔らかくて色の濃い鉛筆を使います。
帽子の、頭にかぶる丸みのある部分を「クラウン」と呼びますが、このクラウンを描く時は半球をイメージして描くと良いです。
帽子のツバは、丸みがあったり平坦だったりと、いろいろなデザインがありますが、ジャイアンツの帽子のツバは昔ながらの丸みのあるツバなので、下の絵のようになりますが、わかりにくければ実物や写真などを見て描きましょう。

 

大まかに帽子の形が描けたら、次は細部を描き込みます。
クラウンの部分の縫い目とか、ヘコミとか、ジャイアンツのYGマークなどを描き込んげ行きます。
(タイガースファンの方はHTマークを描きましょう)
こうしたロゴや縫い目を描く時は、平面でなく、帽子のクラウンの形の上に描いている事を意識します。
そうすると、ロゴの形などもリアリティを持って見えます。

 

 

色塗り

色塗りですが、帽子そのものがシンプルな色使いなので、奇を衒わずにニッカ―のポスターカラーの「ブラック」で塗っていきます。
縫い目やヘコミの部分はちょっと色を変えたいので、塗らずに残しておきます。

逆に帽子の色塗りで注意が必要な点は(帽子のデザインにもよりますが)、こういったシンプルな色使いのものに関しては、できるだけムラにならないように塗るという事です。
その為には、ポスターカラーにあまり水を多量に混ぜない事と、出来るだけ筆を同一の方向に動かしながら塗る事です。
とは言っても、広い背景を塗るのとはわけが違いますから、どうしても限界があります。
ムラになってしまった部分には、乾いてから2~3回重ね塗りするとムラが目立たなくなります。

 

 

YGマークと、この帽子のポイントであるツバの側面をオレンジで塗っていきます。
クラウンのヘコミや縫い目の部分は「フレンチグレー」で塗りました。
実物はもちろんこんな色はしていませんが、下地が黒なので、そこに陰を付けたりするのは、手間をかければ絶対に出来ない事ではありませんが、そこまでやるのはこの記事の趣旨ではありませんので、今回はグレーにしておきます。

また、細かい事ですが、YGマークの部分はその他の部分よりも少し盛り上がっています。
画像ではわかりにくいですが、陰になる部分を「パーマネントイエロー」という色で塗りました。
これも、本当はオレンジよりも濃い色で塗らなくては実際はおかしいのですが、仮に赤を塗ったりするよりも、この方が違和感がなくて良いと思ったので、そうしました。
このように、何が何でも実物と同じ色や近い色を塗らなくてはならないという事はありません。
実際に塗ってみて、「何となくいい感じだな」とか、そんな感覚的な決め方でも良いのです。

 

 

仕上げ

いよいよ仕上げです。
ジャイアンツの帽子ですから、ジャイアンツカラーのオレンジでバックを塗りたかったのですが、そうするとせっかくのツバの側面のオレンジが目立たなくなってしまうので、「カーマイン」という赤に近い色で塗りました。

例によってバックの色を塗る時は、ムラにならないようにポスターカラーにあまり水を混ぜずに濃い目にして塗る事、出来るだけ筆を同じ方向に動かして塗る事がコツです。

 

まとめ

いかがでしょうか?
靴に続いて帽子と、身に付けるものを描いて来ましたが、こうしたパーツは、シンプルな形の組み合わせで出来ている物が多いので、絵を描く練習に最適です。
また、より楽しく描く為にも、いろいろな種類の帽子や靴を描いて楽しんでみましょう。

帽子には冒頭に書いたようにいろいろな種類がありますし、靴にもローファー以外にもプレーントゥウイングチップデッキシューズスニーカーハイヒールパンプスブーツなどいろいろあります。

僕は元々オシャレに関心があって、大学を出た後すぐにアパレルメーカーに就職したほどだったので、いろいろなアイテムのいろいろな種類を覚えるのが大好きでした(というよりも、どれも欲しくてたまりませんでした笑)。
ところが、のちに語学テキストの挿絵を描いたり、ファッション雑誌の挿絵を描いたりした時に、いろいろなアイテムを知っている事がとても役に立ちました。
ファッション雑誌の挿絵のモデルがいつも同じ帽子をかぶって、同じ靴を履いているんじゃ様になりませんからね(笑)

オシャレに関心があって、そうしたイラストや挿絵の仕事をしてみたいと思っている方は、趣味と実益を兼ねているのでとても良い練習になると思います。

そうでない方も、こうした身近なパーツはシンプルな形の組み合わせで出来ている事が多いので、絵の練習には持って来いです。
是非、身近でお気に入りのパーツをたくさん描いてみてください。

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