皆さん、こんにちは!
ポスターカラー専門イラストレーターのすずきかずたかです。
ポスターカラーで描いた作品
僕が絵を描くようになったきっかけ
僕が絵を描くようになったきっかけは、世界の名画に感動したからでも、小学校の図工の授業が得意だったからでもありません。
むしろ僕の描く絵は、小学校の図工の先生からは酷評されていました。
「お前の絵はマンガみたいなんだよなあ」と図工の先生からはよく言われました。
言われて当然です。
僕が絵を描くようになったのは、マンガが大好きだったからです。
マンガの影響
僕は幼稚園の頃から赤塚不二夫さんや藤子不二雄さんの作品が大好きで、特に赤塚不二夫さんの作品の「もーれつア太郎」に出てくる猫の「ニャロメ」や、藤子不二雄さんの作品の「オバケのQ太郎」、マンガではありませんが、「ウルトラマン」の絵を描くのが大好きで、新聞の折り込み広告に入っている「裏白チラシ」を使って、毎日「ニャロメ」や「オバケのQ太郎」、「ウルトラマン」を描いていました。
赤塚不二夫さんの人気キャラ「ニャロメ」
藤子不二雄さんの人気キャラ「オバケのQ太郎」
日本を代表するヒーロー「ウルトラマン」はとても描きやすかったです
紙と鉛筆があれば絵は描ける
藤子不二雄さんや、その大先輩にあたる手塚治虫さんは、絵を描きたいと思っている人に向けて、次のように語っています。
「まず紙に鉛筆で書いてみる。落書き用のノートにでも、スケッチブックにでも、チラシの裏側にでも何でも良いので、とにかく描いてみる」
「描き始めからいきなりたくさんの道具は必要ない。必要に応じて少しずつ増やしていけば良い。大切なのは楽しくマンガをかける雰囲気を作る事(楽しみながら絵を描く事)」
「絵を描く為には、最初はむしろ道具は少ない方が良い。紙と鉛筆だけあれば十分。人間が道具に使われるのではなく、紙と鉛筆だけで自由に自分の描きたい絵を何枚でも描く事が大切」
2人で1つのペンネームの藤子不二雄さん
日本のマンガとアニメの第1人者の手塚治虫さん
好きな絵のマネを楽しむ
藤子不二雄さんや手塚治虫さんは、次のようにも語っています。
「理論的な描き方などの情報が入ってくる前に、たくさん楽しんで描く事が重要。楽しくなければ絶対に続かない」
「まず、好きな作家の真似をする。マネは決して悪い事ではない。むしろ最短最速の絵の勉強法である。好きな作家の絵を真似しているうちにコツがわかって、徐々に自分のタッチ(作風)が確立していく」
「似顔絵やキャラクターを描く場合、丸顔だったらボール型、細面だったら卵型を描いて、その中に目や鼻、口などを描き込めば似顔絵は完成」
「やせ型なら細長い四角形、太目なら横幅のある四角形を胴体にすると全身像が出来上がり、直線などで手足をつけ、洋服を着せれば人物像の完成」
つまり、「上手下手を気にする前に楽しんで描く事。それが絵が上手になる為の唯一の秘訣」という事です。
この考え方は、僕にとって今でも絵に対する人生訓となっています。
絵を描けるようになるための第一歩としては、「どうしたら上手な絵を描けるようになるか」を考えて絵を描く事も大切です。
しかしそれ以上に、「絵を描く事自体を楽しむ」事が大切であり、その為には道具や画材にこだわるのではなく、身近にあるもので、自分で思った通りの描き方で、まず描いてみるという行動を起こす事だと手塚治虫さんや藤子不二雄さんは語っているのです。
僕もその通りだと思います。
この世の文化・作品は全てマネ
僕は初めからそういう事を知っていて絵を描き始めたわけではありません。
しかし、結果的には僕も最初はニャロメやオバケのQ太郎、ウルトラマンといった、人の創り出したキャラクターを毎日まねる事からスタートしました。
そしてその事が飽きることなく、毎日楽しくて仕方ありませんでした。
「最初はマネから始めるのは当たり前。むしろどんどんマネをする事。その過程において、自分なりの工夫を加えて行けば良い」
「種類に関係なく、全ての絵は人まね。絵に限らず、人間の文化社会の全てについて同じ事が言える。現代の文明社会を作り上げているのは全て、人まねプラスそれを真似した人の工夫」
「実際に自分の好きな作家の作品をたくさん見て、たくさんの映画を観る。良い作品、良い場面に出会ったら、なぜ良いと思ったのかを考える」
手塚治虫さん、赤塚不二夫さん、藤子不二雄さん、石ノ森章太郎さんといった、いわゆる「トキワ壮」に居住してやがて一流マンガ家として世に出て行っマンガ家の方たちは、一様にこう語っています。
僕が絵を描き始めた頃はまだ小学生でしたから、親に連れて行ってもらわなければ、観たい映画を自由に観に行くなどという事は出来ませんでした。
しかし、貯めたお小遣いはほとんどこうしたマンガ家さん達の作品を買う為に使い、赤塚不二夫さんの「もーれつア太郎」「おそ松くん」「天才バカボン」、藤子不二雄さんの「オバケのQ太郎」、石ノ森章太郎さんの「仮面ライダー」「人造人間キカイダー」などは全巻買い揃え、ほとんど毎日読んでいました。
特に赤塚不二夫さんの作品は僕のバイブルです。
絵のタッチもさることながら、そのナンセンスなギャグは「笑い」というものに対する僕の感覚の根っこの部分まで沁み込んでいます。
赤塚不二夫さんの作品は、タッチと言い、ナンセンスなギャグと言い、僕のバイブルです
まとめ
僕はたまたま当時の人気マンガ家さん達が大好きであり、強い影響を受けましたが、それは時代によっても、個人の好みによっても変わってくると思います。
それはアーティストであったり、デザイナーであったり、スポーツ選手であったり、あるいはお笑い芸人であるかもしれません。
とにかく、誰にでも何かしら好きなものやジャンルというものがあるはずです。
この世の何にも興味がないという人はいないでしょう。
その中から、更に絵を描きたいという人は、まずそうした自分の好きな人やモノ、またはその作品を真似る事から始めれば良いと思うのです。
そうする事で、やっている事は「マネ」であっても、その行動自体は「自発的」なものになるはずです。
コメントを残す